技術経営ブログ

特許価値評価とキャズム

2018年11月9日

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 昨日は特許価値評価の相談を受けた。一般論として特許価値評価の手法の中には、DCF(Discounted Cash Flow)といわれるものがある。このDCF法 は、特許を一つの収益資産と考えたとき、これを持ち続けることで生み出す将来のキャッシュ・フローを予測し、その予測したキャッシュ・フローの割引現在価値を特許の価値として見積もる方法である。

 私も数多くの特許価値評価を行ってきた。また金融機関や監査法人による監査にも耐えられるような数々のメソッドを編み出してきた(http://innovation-ip.co.jp/patent-licensing)。

 しかし、今までの価値観を一気に変えてしまうような破壊的イノベーションや進化の度合いが圧倒しているイノベーションの特許の価値評価となると、そのメソッドについては更にいろいろと検討しなければならない。つまり、その破壊的イノベーション等が世の中に受け入れられ、浸透するまでにいくつかの谷を越えなければならず、ある程度の時間を要するのである。過去の歴史を紐解いても、スマホ、デジカメ、古くなるがビデオデッキ、何れも浸透するまである程度の時間を要している。

 このような破壊的イノベーション等の特許価値評価を行う場合において、参考にするツールとしてキャズム理論(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%BA%E3%83%A0_(%E6%9B%B8%E7%B1%8D))がある。キャズムとは新製品が市場に受け入れられていく際に、新しいのも好きの人々の間だけで終わるか、それとも一般的に広まるか、その際の深い溝のことである。市場浸透率は、イノベータが2.5%、アーリーアダプタが13.5%、アーリーマジョリティが34%、レイトマジョリティが34%、ラガード16%の5分類に分類されている。イノベータとアーリーアダプタがあわせて16%であり、これを超えて普及すれば一気に一般にも普及するという理論である。市場浸透率と時間との間で曲線ができるが、それはイノベーションのシーズや技術分野によって大きく異なる。

 DCFを使った価値評価を行う上でも、このキャズム理論の曲線をパラメータとして考慮した市場予測、ひいてはキャッシュフローの見積りを行っていくことで、このようなイノベーションの特許価値評価について精度の向上を図るべきであると考える次第である。
 

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