技術経営ブログ

ジョブ・マッピング

2019年5月17日

技術ブログ

 当社の4月26日付のブログでジョブ理論についてご紹介させていただいた。ジョブ理論とは、「ジョブ」を処理するために製品やサービスを「雇う」と考える。例えば、我々が何らかの用事(ジョブ)を片付けなければならないとき、その片付けのため必要な製品やサービスを購入する、これを一つの消費のメカニズムとして捉える。顧客が商品を選択して購入するということは、片づけるべき仕事(ジョブ)のためにその商品を雇用する、と考える。例えば、文書を作るという「ジョブ」を処理するときに、いちいち手書きで書くのは面倒であるために、ワープロソフトという製品を「雇う」。

 イノベーションを創発させる上では、顧客のジョブを完遂するという観点からイノベーションの機会を発見しようとするのがジョブ理論の目指すところかもしれない。淡い期待を抱いて顧客にアンケートや場当たり的なインタビューを行い、そこからイノベーションの機会を発見しようとするところから大きな脱皮を図るのがその目的である。

 (ハーバードビジネスレビュー「イノベーションの教科書」ダイヤモンド社)には、このジョブ理論に基づいてイノベーションの機会を獲得する上でこれをシステマティックに行うためのツールとして、ジョブ・マッピングが紹介されている。このジョブ・マッピングでは、ジョブの出発点から目標達成までに至るプロセスを分解することにより、顧客が製品やサービスについて支援を望んでいる視点や機能を抽出するものである。ジョブを完遂させる上で必要なプロセスの全てのステップについてマッピングすることで、顧客が奥底で感じている真の「ジョブ」に対して雇いたいと思うようなソリューションを考えることが可能となる。

 実際のジョブ・マッピングの方法としては、実行するステップを把握し、全体の流れの青写真を描いてみる。次にこの個々のステップを検証し、各ステップが担う役割とその効果を定義していく。このようなジョブ・マッピングを作成した後、これを俯瞰する。各ステップにおいて抱えている欠点(スピード、精度、ばらつき、信頼性、クオリティ)を洗い出し、これをどのように処理、解決を図るのか検討していくことになる。

 上記著書において、「ジョブを完遂する」という観点からイノベーションのチャンスを発見しようとする企業は皆無に近いことが述べられている。今後の新しいイノベーション創発のモデルとして、ジョブ理論を念頭におき、これも一つのコンサルティングメソッドに含めていくことが重要であることを、自身への戒めの言葉として言い聞かせている。

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