技術経営ブログ

棚卸した知的資産をイノベーションにつなげる

2019年5月27日

技術ブログ

 いくら優れた知的資産を自社内において保有していても、それのみではイノベーションは創発しない。保有している知的資産を顧客ニーズとKSF・KBFと「整合」させることで初めてイノベーションの機会が生まれる。単なるマッチングではなく、「整合」させるわけである。つまり以下の図に示すように、棚卸した知的資産を、顧客ニーズやKSF・KBFに整合する「必要な技術範囲」に当てはめ、仮に必要な技術範囲に対して不足している知的資産(技術)が有るのであれば、それをどのように調達し、組み合わせてイノベーションにつなげるかを検討していく。これが「整合」というプロセスに当たる。

 

 知的資産の棚卸しをより定量的に進めることができれば、この「必要な技術範囲」に対する、不足している知的資産(技術)自体もより明確に定義することができる。そして、この明確に定義することができた、不足している知的資産(技術)が、今後イノベーションを創発させる上で調達すべき技術に相当する。つまり知的資産の棚卸をより定量化することができれば、調達すべき技術自体も定量化することができ、その調達するためのイノベーションマネジメントをより緻密に進めることが可能となる。

 調達すべき技術を社内(クローズ)に求めるのか、社外(オープン)に求めるのかを、次に考えていくことになる。調達すべき技術を社内(クローズ)に求めることができ、しかもそれが早期に調達可能であれば、一気に他社を引き離したイノベーションの創発の機会が与えられる(新規特定技術の開発支援)。一方、社内調達にあまりに拘り過ぎ、莫大な費用と時間を投資して思ったほど成果が上げられない場合には、それ自体が大きなリスクになってしまう。かかる場合には、調達すべき技術を社外(オープン)に求める(オープンイノベーション)。ある意味、社内における技術開発をしないで他社に協力を仰ごうとするのは技術者魂という観点で考えてみれば大きな障壁になるかもしれない。しかし、あくまで目指すのは、「技術開発の成功」ではなく、「イノベーション」なのだ。イノベーションに繋げるためには、社外(オープン)の資源を積極的に活用し、棚卸した自社の知的資産を組み合わせた方が、圧倒的に短時間で低コストに実現できる可能性がある。

 オープンイノベーションは、他社の技術のみに頼るのではなく、あくまで自社の知的資産を組み合わせてシナジーを出していくことを念頭に置かなければならないと思う。また、そのシナジーを出していく方向性は、顧客ニーズやKSF・KBFを含め、その整合性をチェックしていくことも並行して行っていく必要がある(事業経営コンサルティング)。

 

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