技術経営ブログ

リバースイノベーションとは

2019年5月29日

技術ブログ

 リバースイノベーションとは、新興国で生まれた技術革新や経営革新などが、先進国に逆流して波及し、時として大きな破壊力を持って先進国の市場を席巻するという国際経営論における技術革新等についての概念をいう(出典 知恵蔵)。先進国企業が、新興国に開発拠点を築き、その新興国にイノベーションを創発させて新興国市場を席巻し、そこで得た力とノウハウ、経験値、知的資産の蓄積をベースにして、本国などでも優位性を確保しようとする戦略である。

 新興国におけるイノベーション戦略の一般的なセオリーは、先進国において生み出された高度な技術の廉価版を作ることで、安いものをいち早く手にしたい新興国の市場において受け入れられると考えられていた。品質や機能をダウンサイジングして低価格化する戦略が主流であると考えられていた。

 これに対して、リバースイノベーションの考え方は、先進国において生み出した技術を利用することは一切考えず、先ず新興国における市場のニーズに合った製品やサービスを開発、生産、販売する。その製品は先進国において販売されるような高機能なものではないかもしれないが、安価で、必要最低限の機能を備えている。これに加えて新興国ならではの問題点(例えばインフラが整備されていない、電力供給が不安定、仕事のスキルがあまり高くない等)がある。これに対応するための様々なコンセプト(例えば、インフラが未整備であっても物流に支障をきたさない解決策としてドローンで飛ばす、電力が不安定な地域でも電力を安定供給できるシステム、仕事のスキルアップが容易にできるAIラーニングシステム等)を一生懸命考え、実現できれば、これは一つのイノベーションになる。

 このような新興国の実情とニーズに対応できる製品やサービスは、先進国市場においても、新たなコンセプトや視点から生み出された機能や特色が受け入れられ、先進国における高機能で高価な製品やサービスを脅かす存在になる。そして、この新興国発の製品やサービスが先進国で普及するならばまさしくイノベーションであり、新興国から先進国に逆流して波及するリバースイノベーションといえるであろう。

 日本におけるイノベーション戦略が手詰まりになり、今後はますます海外進出の必要性が高まっている中で、新興国の市場に一度目を向けてみると良いかもしれない。そこからリバースイノベーションのヒントが生まれるかもしれない。

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