技術経営ブログ

知財経営シミュレーションのリスクとリターン

2019年7月3日

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当社では知財価値評価や知財経営のシミュ―ションを行う。これらの評価やシミュレーションを行う際には、ビジネス、R&Dの各種要因を分析し、実際の収益をシミュレーションする。これに対して、更に知財経営による効果が収益にどのように反映されるかを、様々なシナリオに基づいて分析、設定を行っていく。そして、最終的な知財の貢献による収益の向上分を定量的に割り出し、価値を算定していくことになる。

このような知財価値評価やシミュレーションを行う過程で留意すべき点は、チャンス(機会)と、リスクの双方を主観を無くして俯瞰し、それらをモデルにきちんと組み込むことである。評価を行う立場としては、どうしてもクライアントに対して良い報告をしたい一心で、チャンス、ひいてはそこから生まれるリターンにどうしても目が行きがちになってしまう場合が多々ある。つまりチャンスの部分を過大評価してしまい、リスクの部分を過小評価してしまうのである。

知財価値評価や知財経営シミュレーションを行う上で、チャンスとリスクの定量化を行うために我々自身が追及している観点は、これらを支配するパラメータについて主観を無くした客観的なパラメータのみで構成する点である。知財のリスクの一つとして特許権の広さがある。特許は取得できれば良いというものではなく、その権利範囲の内容、ひいてはその広さにより、特許の活用性は大きく異なる。特許は出願の過程で拒絶理由を受けて補正による構成要件の限定を行えばその分に応じて権利範囲は狭くなり、活用性が低くなるというリスクになる。これらについても、我々はTechnology Sizeという定量的なパラメータを利用し、主観を排し客観性を持たせたリスクパラメータとして評価モデルに盛り込む。

知財経営、ひいてはビジネス経営を行う上では、このチャンスとリスクをいかにして上手くマネジメントできるかが重要になる。そのためには、チャンスとリスクを可視化し、主観を廃し、客観性を以って俯瞰できるかどうかにかかっている。どうしてもリスクには目をつぶりたくなる気持ちは誰だって同じであり、ましてやクライアントに説明するのは非常につらいことでもあるが、真摯に向き合っていくことが重要なのである。

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