技術経営ブログ

マーケティングポジション(MP)

2019年8月5日

技術ブログ

マーケティングポジション(MP)、即ち「誰に何を売るのか」は、顧客ニーズを到達点としたマーケティング戦略のみでは絞り込めない場合がある。KSF(Key Success Factor)、(KBF:Key Buying Factors)が自社のポジションニングを決める上で支配要因になる場合がある。

KSFとは、戦略を成功に導く鍵となる要因である。オセロゲームのKSFは、隅部を取ることであり、コンビニエンスストアのKSFは商品の品揃えや品質である。即ち、このKSFは、同業者間で当然のように知られている、勝つために外せないポイントである。従って、このKSFがどこにあるかを理解することなく競争戦略を立てるのは勝利条件やルールを知らないで試合をするのに等しいのである。(金森努「よくわかるこれからのマーケティング」P52)

逆にいち早くKSFを見つけ出すことができれば、競合他社に先駆けてそのセグメントにおいて前もって準備をすることができ、先回りして迎撃する打ち手を考えることもできる。このため、KSFを早めに把握するメリットは、非常に大きな利益を自社にもたらす。

KBFは重要購買決定要因である。KSFが業界単位での成功の鍵を探求するのに対して、KBFは新たな事業を創造する個々の企業に焦点を当てたものである。KBFは、顧客が製品・サービスを購入する際に重要となる要因を捉えていくものだが、必ずしも顧客ニーズと整合しているとは限らない。例えば、価格はKBFであることが多い。現実にも、製品の品質は良くないが安価だから買うようなケースはいくらでもある。

KSF、KBFは、「提供価値」に対して、時には顧客のニーズよりも大きな影響を及ぼす。「提供価値」ひいてはMPを絞り込むうえでは、顧客ニーズだけでなく、KSF、KBFに着目して検討を進めることが求められる。

また、MPを絞り込む上では、自社のコア・コンピタンスも重要なファクターの一つである。コア・コンピタンスは、一般的には企業の中核となる強みをいう。つまり、自社の強みを活かした提供価値、ひいてはMPを絞り込んでいくことが重要なのである。いくら顧客ニーズを満たし、KSF・KBFをしっかりと捉えた提供価値をポジショニングできたとしても、それが自社の強みと全く関係のない領域であれば、競合他社との競争において勝つことができない。自社の強みを発揮できる領域を主戦場とすることでようやく勝負の土俵に立つことができるのである。

このようにMP、つまり「誰に何を売るのか」は、このような顧客ニーズを到達点としたマーケティング戦略のみならず、KSF・KBF、更にはコア・コンピタンスも含めた総合的な分析と考察の下で検討していく必要がある。

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