技術経営ブログ

バックキャスト思考

2018年11月29日

技術ブログ

 当社のサービスの一つに「新規特定技術の開発支援(イノベーションラボ)」がある。このサービスでは、「イノベーション経営コンサルティング」における「貴社保有技術の棚卸しとコアコンピタンスの抽出」と連動して進め、自社に必要な新規技術の開発支援を行うわけだが、これら以外に自社の保有する要素技術をベースにして改良技術や応用技術を、将来の用途やビジネスモデルと照らし合わせてバックキャスト思考で創造支援することも行う。
 
 ここでバックキャスト思考とは、一般に「未来のあるべき姿を考えて、そこから逆に現在を見ることである。しかしこのバックキャスト思考は、実は前例のない事態に対処するための思考ツールとして非常に有用なのである。これについて紹介している書籍が(石田秀輝、古川柳蔵著の「バックキャスト思考」ワニ・プラス)だ。この本は私のクライアントから薦められて読んだ本であるが、まさしく目から鱗だった。

 例えば「居間の電球が1つ切れてしまいました。あなたならどうしますか」と聞かれたときに、「電気屋で新しい電球を買って交換する」という解はフォーキャスト思考による問題解決だ。電球が切れているという制約(問題)を認識し、これを排除(否定する)解を出すものである。「電球が切れている」の否定は、「電球が切れていない」つまり、切れていない新しい電球に替えることである。
 
 これに対してバックキャスト思考では、同じ「電球が切れている」という制約(問題)に対して、先ずその制約を排除することなく、受け入れる。つまり電球が切れていえることを受け入れるのである。少し暗くなった居間でどうやって楽しく暮らすか→そもそも明かりが必要なのか→明かりを全部消して家族みんなで窓から星や月を眺めよう、という新しい暮らしのスタイルを提案するのである。

 この本には、実際にバックキャスト思考に基づいて発明を創造する技法についても解説されており、「シンプルクエスチョン」を通じて複雑な問題の因果関係を可視化する方法等も紹介されていた。どちらかというと当社関連企業のミノル国際特許事務所で提供しているTRIZによる発明創造支援に非常に考え方が似ている。

 TRIZに加えて、このバックキャスト思考を新たに盛り込むことで「新規特定技術の開発支援」のサービスラインアップを増強していく必要があることを痛感した。

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