技術経営ブログ

素材開発のAI

2018年11月30日

技術ブログ

「材料開発、AIで脱職人技」    (2018.10.15 日本経済新聞)
「効率的な材料設計支援するAI開発」(2018.10.09 日本経済新聞)

 最近の日経において、AIによる新材料探索の記事が良く掲載されている。「AIによる新材料探索」とは、人工知能を駆使し、新材料を探索する新しいメソッドである。材料探索は、文献的な調査、計算科学やシミュレーション、実験的手法に基づいて行われてきた。私も学生時代は材料を専攻していた経緯があり、実験と言っても試験片の研磨等の地味な作業もかなりあり、マテリアルサイエンスはポリッシングのサイエンスであると勘違いしていたぐらいだ。
 
 このような手法は当然に時間がかかることから、新素材の発見、新規物質の発見に相当の時間がかかる。今後、この材料開発の開発期間をより短縮化するためには、今まで蓄積された数多くのデータやノウハウ、知見等の情報を有効活用する必要がある。「AIによる新材料探索」では、膨大なデータベースの中から人工知能が最適な材料特性の組み合わせを探し出す。これにより、候補となる化学物質を探索する時間が短縮され、材料開発を行う上で必要な知見やヒントを研究者に提供することが可能となる。

 既にこの材料探索にAIを用いることは以前から行われており、マテリアルズ・インフォマティクスにおいて、シミュレーションとニューラルネットワークをそれぞれ活用し、より機能の高い材料の成分を探索する技術が紹介されている。また、日本の化学メーカー8社と東京大学等を中心にオールジャパンでAIによる新素材開発に今後取り組んでいくことも日本経済新聞において取り上げられている。この取り組みでは、公開されている特許や論文の情報を活用し、人工知能で新素材を開発する仕組みを作る。新素材に求める物性を入力すると最適な材料の組み合わせを人工知能が提案してくれる。2019年から運用し、埋もれていた開発候補の発見や開発期間短縮の効果が期待できる。

 「AIによる新材料探索」について特許出願件数を調査したことがあったが、実は驚くほどに少ない。今後のAIの発達に伴い、「AIによる新材料探索」の特許出願動向がどうなるのか見守っていきたいところだ。 

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