技術経営ブログ

ビジネス、イノベーション、知財経営の三位一体マネジメント

2018年12月11日

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 ビジネス、イノベーション、知財経営の3層を三位一体でうまくマネジメントをする、一言でいえば簡単であるが、実際にこれを完璧に進めている企業は少ないと聞く。この3階層のうち、特にイノベーションは、内的要因のみならず外的要因に基づいた様々な変動要因があり、そのリスクを定量化して予測することは非常に難しい。これに加えて、知財経営も、イノベーションとは全く異なる数多くのリスク変動要因を抱えるものであり、これらを互いに整合させて三位一体でマネジメントすることをますます難しくしている。
 
 この知財経営の中で、特許出願から権利化という一つの事象に着目したときに、「特許になるか否か」に加えて、「その権利範囲の広さ、内容」が、その特許のパフォーマンスを大きく変化させ、知財戦略に大きな影響を与えるものとなる。このため、この特許出願権利化のプロセスにおける「特許になるか否か」、「その権利範囲の広さ、内容」は、知財経営そのものに反映されるリスク変動要因と考えることができる。

 例えば以下の図に示すように、「権利範囲の広さ、内容」は、出願時と権利化時で変化する場合が多々ある。しかもこれらに影響を及ぼす要因は、特許庁による審査過程において挙げられる引用文献の中身に支配される。その結果、これら引用文献との差異を見出し、進歩性を出すために、特許請求の範囲に限定要素を補正することで権利範囲が出願時と比較して変化する。即ち、出願から権利化の過程における知財経営の変動要因は、他の階層であるビジネスやイノベーションの階層とは全く異なるパラメータで支配される。

 これに加えて、イノベーションのリスク変動要因も同じ出願から権利化までの時間軸で見た場合に変化する場合がある。イノベーションに創出の結果、技術的に求められる必要機能は、上図のように変化することは十分に考えらえる。この必要機能の変動要因は、知財戦略とは全く異なる座標軸で変化する。このため、上図に示すように、せっかく取得した特許の権利範囲が、イノベーションの根幹をなす必要機能から逸脱してしまうことが当然に起こりえる。

 このため、当社ではそのビジネス、イノベーション、知財経営の3層を一気通貫型マネジメントを推奨しているが、実際にこれを進めていく上では、ビジネス、イノベーション、知財経営の各階層において浮き上がる様々なリスク変動要因を考慮し、マネジメントをしていく必要があると言える。

 

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