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天才的な創造の第一歩は模倣から始まる(モーツァルトの例)

2018年12月12日

技術ブログ

 モーツァルトの音楽は古今東西にわたりポピュラーであることは勿論であるが、右脳の発達を促すことが研究成果でも出ており、幼児用の教育教材にも積極的に取り入れられているくらいである。映画「アマデウス」にはモーツァルトの人生が描かれているが、凡人であるが努力を積み重ねてきたサリエリに対して対照的なのが、天才的な作曲を次々に生み出すモーツァルトなのである。私は今まで天才であるモーツァルトは、次から次に自然に素晴らしい音楽が頭に浮かんできてそれを譜面に写すだけの作業をしているものと思っていた。確か映画でもそのように描かれていたと思う。

 しかし現実は少々違っていたようだ。父レオポルド・モーツァルトは、息子が幼いころからバッハ等の音楽を徹底的に叩き込ませて学習させていたとのことだ。モーツァルトは自分で作曲をする際に、過去の有名な作曲家の音楽を先ず模倣し、そこから少しずつ自分なりにアレンジをしながらオリジナルの音楽を作曲していったのである。つまり他人の型を徹底的に習得しながら自分にとってベストな型を作り上げていったのである。まさしく彼は模倣をベースにした創造の天才なのかもしれない。

 音楽に限らず、天才的な創造は、模倣から生まれる場合が多い。例えば発明王といわれるエジソンだってそうだ。エジソンも同様に他人の発明を徹底的に研究し、模倣し、それを一部アレンジすることでイノベーションを興していった。多くの模倣を土台とし、その土台の頂点に自分のオリジナルの創造を加えているだけだ。それでも天才的な発明として世間から圧倒的に評価される。

 モーツァルトやエジソンが行ってきたような模倣の土台を作れていないのに、その頂点にあるオリジナルの創造を積み上げることは到底不可能だ。最初からその頂点にあるオリジナルの創造を作り上げようとしても無理であり、先ずは模倣の土台作りをじっくりと行うことが不可欠なのではないか。 モーツァルトやエジソンだって、このような模倣の土台が無ければ、あの天才的な創造は成し遂げられなかっただろう。
 
 我々も発明やデザイン等の知的財産を創造する際に、先ずは模倣の土台を作ることが重要なのではないかと思う。最初からひらめきは生まれない。やはり他人の模倣を繰り返し、先人の作り上げた型を習得することで初めて自分のオリジナルの発想やひらめきが生まれるのではないか。しかし、他人の模倣を繰り返し習得することは非常に根気のいる作業だ。この根気のいる作業を続けられる能力と、質の良い模倣教材を選ぶことが、発明創造の土台作りにつながると考える。

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