技術経営ブログ

インフラ保守とAI

2018年12月17日

技術ブログ

 近年においてインフラの老朽化が問題になっている。現在73万橋ある道路橋において建設後50年以上経過する橋の割合は、2018年時点では25%であるの対して、2033年には63%にも及ぶ。このような老朽化した橋梁やトンネル等の点検や補修に必要なコストは、40年間で500兆円を超えるらしい。

 従って、これらのインフラの中から、いかにして補修の必要性の高いものを効率的に選び出していくかが重要になる。しかしこれを全てのインフラにして実行することは大変な作業量になり、コストも膨大になる。かといって、インフラの老朽化を放置すれば重大な大事故にもつながることになる。
 
 このような老朽インフラの点検、補修を効率的に進めるため、AIを活用したインフラ保守が必要不可欠となる。インフラを構成する各種構造物から検知した機械的特性データや非破壊検査データ等を分析することで、構造物の劣化状況を判別し、寿命予測を出力する。AIによるデータ分析を通じて構造物の将来的な寿命を高精度に導き出すことができ、補修の緊急性を判断することもできる。インフラ損傷による大事故を未然に防止することが可能となる。

 このようなインフラ保守AIの精度を向上させるためには、判断の基礎となる教師データの質の向上を図ることは言うまでもない。一方、このインフラ保守AIについての技術開発の注力度合いを特許出願件数というパラメータを介した俯瞰したところ、以下の結果となっている。


         2016年までのインフラ保守の特許出願件数推移 (当社調査結果)

 インフラ保守AIは、2012年から出願されはじめ、その後増減を繰り返している中で2013年には出願件数のピークがあり(5件)、その後は減少しつつも2016年は4件の出願があった。総じて日本企業の出願割合が高い。やはり全体的にみれば、このインフラ保守AIのビジネス領域については、今まで殆ど特許出願が行われてこなかったが、近年になりようやく特許出願が行われてきた感がある。
 しかし、500兆円の産業を生み出すこのビジネス領域のわりには、まだまだ特許出願件数が少ないと思うのは気のせいか・・・

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