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特許の広さを定量化するコンセプト -格成分数-

2019年1月10日

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 昨日、小職が委員を務めているJAPIOの某委員会におけるショートプレゼンでも話をしてきたが、特許の広さを定量化するコンセプトとして格成分数がある。この格成分数とは、特許請求の範囲の記載に含まれている格成分の数である。格成分は、動詞による文の形成に必要とされる名詞句である。但し、この格成分は、単なる名詞句ではなく、動詞に係り受けする名詞(名詞句を含む)のうち、動詞による命題を実現するための動作開始条件となり得る要素である。

 ここで、LED照明に関する特許の例として、
例1)「照明光を出射する発光モジュールと、前記出射された照明光を拡散する光拡散部材とを備える照明装置」を特許請求の範囲に記載する場合について考えてみる。即ち、この構成を発明特定事項として捉えて特許請求の範囲において定義する際には、構成要素 “発光モジュール” において、照明光を出射するという命題が実現されていなければならない。そして、構成要素 “光拡散部材” により、照明光を拡散するという命題が実現されていなければならない。即ち、構成要素”発光モジュール”において”照明光を”という名詞句は、これが係り受けする”出射する”という動詞とペアとなり、その命題実現のための条件的役割を担うことになるため、格成分といえる。また、構成要素 “光拡散部材” において、”照明光を” という名詞句は、これが係り受けする “拡散する” という動詞とペアとなり、その命題実現のための条件的役割を担うことになるため、格成分といえる。

 このように単語の抽出の仕方そのものを、各構成要素の命題の成否に対応させる考え方を取り入れた最小抽出単位として提案したものが、格成分数である。格成分数は、あくまで単語数や名詞句数、文字数といった明細書作成者によって左右されるパラメータではなく、あくまでその発明を構成する個々の構成要素が自ら実現しようとする命題が同一であるか否かを判断基準とするものである。このため、格成分数は、明細書作成者間のバラつきを防止と、カウント精度の向上の双方を同時に実現できる点において有益である。
 詳細についてはこちらのサイトをご覧ください。

 格成分数を自動的に抽出するツールとしては、NRIサイバーパテント(株)がテクノロジーサイズ(TS)という指標を通じて提供可能となっている。このTSは、カウントした格成分数に基づいて数値化される指標である。この格成分数(TS)は、特許の活用性や質的側面を定量化できるため、特許の価値評価のみならず、不要な特許の選別や、自ら作成した特許請求の範囲のチェックにも役立たせることができると考えている。

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