技術経営ブログ

完全自由競争ゲーム

2019年2月14日

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競争戦略を考える上で、完全自由競争とはどのようなものなのかを考えることは重要である。
例えば以下の図のように、コーヒー屋が、トータルコスト100円のコーヒーを200円で販売していたものとする。どんなに頑張ってもトータルコストは100円を切ることができず、また同一の味しか出せないものと仮定する。このとき、競合の店Bは、「えっ、そんなに利益が出てるの?」、「当店もコーヒーに参入しよう」という感じで、同じ市場に参入してくる。

同じく、「提供価値は、全く同種類、同質のものと仮定。トータルコストは100円を切れないと仮定」したとき、以下の図のように新たに参入しようとするコーヒー店Bは、「後から参入するのだから少しだけ値下げしよう」として、販売価格を店Bよりお安くする。すると、店Aは、「Bに客を取られた。更に値下げしないと」と考え、店Bの販売価格よりも安くする。これを見た店Bが更に店Aにとられた客を取り返すべく販売価格の値下げを行い、結局は価格競争、過当競争になる。そして、この完全自由競争ゲームの行く末は、店A、店Bともに理論上集積は0に収束して終わるというものだ。

つまり、完全自由競争ゲームは、売買される財は全く同質で商品差別化は存在しない市場状況、すなわち完全市場であり、そもそも完全な競争状態は儲からないようにできている。経済学が想定する完全競争になれば利益は出なくなる。利益を出すためにはどうすればよいのか。それは完全競争の前提を壊せばよいのである。完全競争の前提を崩すということは、「売買される財を異質にすることで他社とのビジネス上の差異を作る」ことに他ならない。

各マーケットでは、複数社が競争しているのに、どの会社も利益をしっかり出して株主に還元している。同じ業界で競争しているのに儲けが出ている。これは、どの企業も、完全競争の前提を崩し、各社がそれぞれ自社ビジネスの差異を作ることで利益を出すことを既に行っていることが分かる。

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