技術経営ブログ

保護なきイノベーションは単なる慈善事業?

2019年2月21日

技術ブログ

 イノベーションを上手く軌道に乗せ、自社の競争優位に結び付けることができる企業は、その成果物としての多大な収益を獲得することができる。しかし、そのイノベーションが優れているほど、当然に他社はそれを模倣し、その収益の一部を獲得したいと考えるのは当然である。つまり優れたイノベーションは、他社からの模倣のターゲットにされることは常に考えておかなければならないことである。
 
 イノベーションを自社主導で創発させることができたにも関わらず、他社により囲い込まれてコモディティビジネス化してしまった例は過去に幾多もある。自社が圧倒的に技術的優位性を持っていた事業であっても、十分な権利保護がなされていなかったため、サプライヤーに包囲されて、結局は主導権を失うことになってしまったビジネスの例を幾多も見てきた。競争相手による模倣を排除するための施策は、知財戦略につきる。特許による保護をすることなくイノベーションを世の中に出す行為は、「我々が興したイノベーションを皆さんで自由にお使いください」と宣言するようなものであり、単なる慈善事業に過ぎないものとなってしまう。

 イノベーションを保護する知財戦略は、技術専攻型企業では、先ず特許が浮かび上がるが、これがすべてではない。ノウハウ秘匿化、公知化、著作権や不正競争防止法を絡めた知財戦略、或いは意匠、商標も含めた知財ミックスも含めて、その具体的施策は様々だ。イノベーションは技術革新に限定されるものではなく、マーケティングイノベーションのように技術的要素を伴わないイノベーションもあるから、なおさらその施策は特許に限定指定はいけないであろう。一方このようなマーケティングイノベーションは、知財とは無縁と考え勝ちになってしまうが決してそのようなことは無い。どのようなイノベーションであっても、保護なきイノベーションは単なる慈善事業に陥ることを常に意識し、イノベーションに必ず知財(IP)を上手く連動させる仕組みを作ることを意識することが必要なのだ。

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