技術経営ブログ

バリューチェーンの活用

2019年3月11日

技術ブログ

 バリューチェーンには、価値連鎖という意味が含まれている。バリューチェーン分析では、自社の活動を顧客の価値につなげるための連鎖で表現した上で自社の活動を客観的に分析し、強みや弱みを自社全体の中から明らかにするフレームワークである(出典 M.Eポーター「競争優位の戦略」、ダイヤモンド社、1987年)。

 バリューチェーンは、大きく分類して、価値を作る活動と得られる利得からなる。価値を作る活動は、更に主活動と支援活動に分類することができる。主活動は、例えば製造業を例に挙げた場合において、製品企画、原材料調達、開発、製造、販売等で構成され、必要に応じて販売の後工程のアフターサービス等も含まれる場合もある。この主活動は、製品やサービスの提供の流れに沿って左から右に向けて時系列的に進展していく形態となっている。
 これに対して、支援活動は、主活動を支える活動であり、全般管理(インフラストラクチャー)、人事・労務管理、技術開発、調達活動に加えて、法務や知財経営業務もこの支援活動に含まれる場合がある。マーケティング活動は、主活動における販売に含まれる場合が多いが、支援活動に含めて考えてもよいかもしれない。

 このバリューチェーンを構成する連鎖関係を考える場合、単なるモノの連鎖だけではなく、価値の連鎖として捉えることが重要になる。
 このようなバリューチェーンを描くことにより、企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析することができる。即ち、このバリューチェーン分析を通じて、原材料の調達から製品やサービスを顧客に提供してマージンを生み出すに至るまでの企業活動のプロセスを、各活動の価値のつながりとして捉えることで状況を把握することができる。その結果、このバリューチェーン分析を通じて自社の強みを探索し、競争戦略の構築や改善に役立てることが可能となる。例えば、バリューチェーン分析を通じて競争優位性にそれほど大きな影響を与えない活動が特定できた場合、その特定した活動は外部に委託する代わりに、戦略上重要な活動については自社資源を集中させる等の施策を考えることが可能となる。

 バリューチェーン分析を行う場合には、どの活動においていかなる付加価値が生まれているのかを明確化する。この付加価値の量やバランス関係を理解することで、自社の強みと弱みを明確化することができる。

 バリューチェーンを実際に活用する場合、M.Eポーター「競争優位の戦略」に描かれているような図をそのまま使うのではなく、ケースバイケースでこれをアレンジすることが重要である。当社では、ビジネス、イノベーション、知財の階層に加え、製造やオープンイノベーションの要素も含め、競争優位性の源泉を探れるように作り込む場合が多い。

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