技術経営ブログ

ビジネスモデルの設計

2019年3月12日

技術ブログ

 自らコントロールすることができない市場に対して、事業成功に導くための対応策の一つとしてKSF(Key Success Factor)を抽出する話を先週のブログで掲載させていただいた。同じく自らコントロールすることができない市場に対する傾向と対策として、ビジネスモデルがある。KSFは各市場の中に内在する普遍的な解を見つけ出すところがポイントであるのに対して、ビジネスモデルは、自社のバリューチェンや自社資源を視野に入れつつ、市場に対して価値を提供し、マネタイズするための最適な仕組みを追求するところがポイントである。自社内に普遍的に存在する自社資源や自社のパフォーマンス力は急激に向上させることは難しいが、ビジネスモデルは、仕組みの設計であるため、比較的短時間で構築することができ、また設計の自由度が高いところが特徴でもある。設計したビジネスモデルだけでライバル企業とだけ差をつけることができれば、それだけでライバル企業を一気に引き離せる破壊力もあるのが特徴だ。よくビジネスモデルをうまく設計することで成功した企業の例としては、デルやアスクルが挙げられる。

 しかしながら、ビジネスモデルは、比較的短時間で構築可能な仕組みの設計であるため、他社に模倣されやすいという弱点がある。ビジネスモデルが自社資源や自社技術を絡めたものであれば、これらで差別化を更に図るとともに、そのノウハウを秘匿し、ひいては特許等を通じて模倣を防ぐためのメカニズムを作り出すことができる。一方、流通業やサービス業のように、自社技術を持たなくても参入できる分野はそのような対処ができない。ビジネスモデル特許で抑えてしまうのも一つの手であるが、先ずはそのビジネスモデル特許が取得できるか否かという問題があるのと同時に、相手側のビジネスモデルの立証が難しい場合もあり、うまく相手に回避されてしまう場合もある。このため、相手側の実施行為の立証容易性を意識したビジネスモデル特許を念頭に必要がある。

 私見ではあるが、ビジネスモデル特許は、勿論ケースバイケースで効力を発揮する有用なツールであることは勿論である。しかし、他社の模倣の防止をより強固にし、盤石な参入防止の壁を築くためには、ビジネスモデルの要所要所に相手側には知られえないような差別化可能なノウハウを盛り込んでおき、それらを一つのナレッジとして知財管理することも並行して考えるべきであると思う。

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