技術経営ブログ

資源の先取りを目的とした特許戦略

2019年3月19日

技術ブログ

先週のブログで「競争戦略と資源獲得マネジメント」に関する話をさせていただいた。いくら優れた競争戦略を描いたとしても、それを実現するための資源が自社内に無ければ、競争優位性を勝ち取ることができない。「資源の欠乏状態」に陥ることを防止するため、資源の先取りを競争戦略の策定と並行して行うことが重要であることを述べさせていただいた。

 このとき、自社において資源の先取りを行うことができ、競合を「資源の欠乏」の状態にさせることができれば、その競合環境において圧倒的な優位性を築くことができる。資源の一つが新規技術であるとするならば、その新規技術をいち早く獲得し、逆にその新規技術を競合が入手できなくなるようにすることが、圧倒的優位ににつながる。そして、その新規技術をいち早く獲得するためには、R&Dに注力し、競合他社よりもその技術開発の成功を目指すのが王道であることは間違いない。しかし、目的は資源の先取りであり、製品が完全に仕上がるまで、或いは顧客へのデモンストレーションが可能なレベルまで完璧を目指すのとは少々意味が異なる。もちろん顧客に対して実際に価値を提供する段階においては、そのレベルへの到達が求められるが、それが実現できるまで待っていることになればそもそも「先取り」にはならない。

 この資源の先取りを行うための一つのツールが特許なのである。特許は先願主義の下、いち早く特許出願をしたものに独占排他的権利としての特許権が付与される。つまりいち早くアイデア資源を考えた者に独占権が付与される結果、競合はそのアイデア資源を実施できなくなり、競合を「資源の欠乏状態」にさせることができる。特許制度は、資源の先取りを国の制度を利用して実現する方法なのである。特許の取得は、製品が完全に仕上がるまで、或いは顧客へのデモンストレーションが可能なレベルまで技術開発が完了していなくても、その技術のコンセプトの青写真ができているのであれば、特許を取得する上では特に問題はない。技術開発と並行して特許出願を行い、資源を先取りしてしまうのである。技術開発が進んでくると、更にベストな設計や形態、新たに得られた知見から新たなアイデアが生まれる。これについても、そのアイデアが浮かんだ段階で即座に特許を取得し続けることで、資源の先取りをしていく。このように先取りした資源(特許)の塊が、実際に顧客に対して製品やサービスを提供する段階になったときに圧倒的な優位性を発揮するのである。

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