技術経営ブログ

ビジネスモデルとエコシステム

2019年4月2日

技術ブログ

 ビジネスモデルとエコシステムは似て非なる概念といえる。ビジネスモデルは、あくまで自社を中心としたビジネスの構造を示す。自社がビジネスで収益を上げるために、自社のコントロール下にある「事象」、「製品やサービス」、「工程」をいかにして最適化し、マネジメントするかを検討していく。

 一方、エコシステムは、いわゆる「産業生態系」といわれるが、自社と協力企業、場合によっては顧客も含めて互いに協調し、発展していく状態を示す。自社のみならず協力企業等もこのエコシステムでは主要なプレイヤーになる。このため、協力企業は、自社のコントロールから外れることからその描き方はビジネスモデルとは異なってくる。エコシステムを図示化する上では、自社と協力企業との「主体」間の役割分担、連携を描き、エコシステム全体から発現されるシナジー効果を競争戦略の強みとして描いていかなければならない。つまり、エコシステムでは、互いに異なる「主体」が連携して強い収益構造を描く必要が出てくる。このため、「主体」という軸を基調とし、これに工程や事象、製品やサービスを描いていく必要が出てくる。

 ビジネスモデルとエコシステムは、あくまで規則性、再現性のあることが前提となる(今枝、「ビジネスモデルの教科書」p15~)。規則性、再現性があるからこそビジネスモデルやエコシステムの全て又は一部をコントロールすることができるわけであり、これをコントロールすることによって競争優位を獲得する方向に仕向けることが可能となるためである。

 仮に製品やサービスが競合他社や競合エコシステムと同一品質のものであったとしても、ビジネスモデル・エコシステムが競合他社や競合エコシステムと差別化されたものであれば、それだけで競争優位性を発揮することができる。例えば自陣営のエコシステムが競合エコシステムよりも顧客への納品期間を短縮化することができるものであったり、或いは同一品質の製品であっても自陣営のエコシステムが競合エコシステムよりも顧客に対して安価で提供できるものであれば、それだけで競争優位を獲得することができる。

 一方、ビジネスモデル・エコシステムにリンクするイノベーション戦略や知財戦略において強みがあり、製品やサービスの品質面や、知的財産権等において優位性があれば、ビジネスモデル・エコシステムにおいて特段優位性がなく、従来型のビジネスの仕組みと同様であってとしても、競争優位を獲得することができるであろう。
 
 理想を言えば、ビジネスモデル・エコシステムで競合と差別化を図りつつ、製品やサービス、知的財産権等において優位性を確保する。そしていずれか一方において競合による同質化を許したとしても、他方の抑えを通じて戦っていく。これを目指すべきだ。

お問い合わせ・ご依頼は
お気軽にご連絡ください。

TEL

受付時間/平日9:20~17:20