技術経営ブログ

問題点の分析(ロジックツリーの活用)

2019年4月8日

技術ブログ

 コンサルティングにおいて、問題点を分析する手法の一つにロジックツリーがある。ロジックツリーは、問題状況をツリー状に分析して整理し、問題点の原因を探るとともに解決案を抽出するためのツールである。ロジックツリーを利用するメリットとしては、問題の全体像を把握することができ、様々な視点から問題解決の方向性をサーベイすることができるところにある。例えば、「特許をせっかく取得したが、特許収益が上がらない」という問題点を分析する際に、このロジックツリーを活用する場面を考えてみる。

 先ず特許収益とは何か。特許収益は、収益である以上、売り上げ-コストの差である。つまり特許による収入と、特許に要するコストの差分が特許収益だ。このため、以下の図のように特許収益の直下にあるツリーは、特許収入とコストで先ず分かれる。特許収益を上げたいのであれば、特許収入を増やすか、コストを下げるかのいずれかだ。
 特許収入は何によって構成されるか、またコストは何によって構成されるかを更に分析する。この分析においては、MECEに分けるのがポイントだ。MECEは、Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの略であり、漏れなく、ダブりなく、の発想に基づく分析手法である。このようなMECEに分けることを各分析階層毎に行っていく。MECEに分けることにより、盲点が早く見つかる可能性も出てくる。

 ライセンス収入は、ライセンス数とライセンス率で構成される。さらにこのライセンス数はライセンス先の顧客の地域(東日本、中日本、西日本)で分けてもよいし、顧客層(大企業、中小企業、個人)等に分けてもよいが、何れもMECEで分ける。
 このようにして、「Why」を繰り返し自問自答していきながら、各要素を掘り下げていき、ライセンス収入が上がらない原因を特定していく。原因が特定できれば、それに対する解決策を策定するプロセスに移行することが可能となる。

 注意しなければならない点は、ロジックツリー分析をして原因を全て洗い出したと勘違いしてしまい、そこで原因特定プロセスの思考が止まってしまうことだ。特許収入という問題一つとっても、実は、ライセンス収入のような財務上において挙がってくる収入以外に、実は特許が存在することで他社への参入障壁として働いており、シェアが向上しているのであれば、それも一つの特許収入として捉えてよいかもしれない。このような特許収入は、知財戦略のみならず、ビジネス階層における意思決定もシェアや売り上げに効いてくるため、原因分析をこのビジネス階層まで拡大して掘り下げていく必要が出てくる。

 このため、ロジックツリーによる問題分析を行うためには、ロジックツリーを何枚も書き上げて検討することが重要となる。特許収益の原因分析一つとっても、以下に示すように知財戦略階層のみに固執するのではなく、他の戦略階層も含めて原因分析を行っていくことが必要なのではないかと思う。

 

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