技術経営ブログ

アンゾフの成長マトリクスとイノベーション

2019年4月11日

技術ブログ

 経営コンサルティングのフレームワークの一つとしてアンゾフの成長マトリクスがある。アンゾフの成長マトリクスは、下記の図のように、縦軸に市場、横軸に製品を取り、それぞれ既存と新規に分類したものだ。その結果、縦軸は既存市場、新市場の2種類、横軸は、既存製品と新製品の2種類、合計2×2の4通りの戦略を描くことができる。

 仮に、現状が左下のマトリクスにおいて既存市場に対して既存製品を売っている状況にあるとする。この既存市場に対して既存製品を提供するビジネスにおいて、現状において収益化が図れている状態であれば先ずはよいかもしれないが、これが永遠に継続することは考えられない。通常は、この左下のセグメントから脱却したいと考えるのが通常であろう。このとき、左下から右上の多角化に一気に登りたいという気持ちはあるかもしれないが、これは失敗のリスクもその分大きくなる。このため、先ず左下の「市場浸透」から左上の「市場開拓」、或いは左下の「市場浸透」から右下の「新製品開発」を目指し、これらのルートを経てから多角化を目指していくのが王道となっている。逆にこのアンゾフの成長マトリクスは、このようなルートを経て多角化をめざすべきであるという一つのメッセージを我々に語りかけてくれていると考えることもできる。

 ここで先ず左下の「市場浸透」から左上の「市場開拓」は、既存の製品を適用できる新たな市場を見出すところにポイントがあることから、当社が提唱するビジネス、イノベーション、知的財産の3階層のうち、ビジネス階層、つまりマーケティング主導であるということができる。一方、左下の「市場浸透」から右下の「新製品開発」は、既存市場に対して新たな新製品を投入することで他社を引き離す戦略であるが、技術開発によるイノベーションに力点が置かれおり、まさしくイノベーション階層主導であるということができる。
 
 また、左上の「市場開拓」に到達した後、右上の「多角化」を目指すためには、その新たな市場に新製品を投入することからイノベーション階層主導になり、右下の「新製品開発」に到達した後、右上の「多角化」を目指すためには、ビジネス階層、つまりマーケティング主導となる。
 つまり、何れのルートを経るにしても、多角化を目指していくためには、イノベーション階層とビジネス階層をケースバイケースに応じて主導させ、またこれらの各階層を交互に注力していくことが、このアンゾフの成長マトリクスから説明することができる。そして、これら主導させるイノベーション階層、ビジネス階層を知財階層が下支え、アシストしていく仕組みを作る。これが後々重要になる。

お問い合わせ・ご依頼は
お気軽にご連絡ください。

TEL

受付時間/平日9:20~17:20