技術経営ブログ

「知財コンサルティング」という名の下で防ぐべきミスリードとは?

2019年4月15日

技術ブログ

「知財コンサルティング」という言葉は10年以上前から特に弁理士業界においてよく使われている言葉だ。私自身も「知財コンサルティング」という言葉を使って特許事務所の営業を良くやっていた時代もあった。そもそも「知財コンサルティング」の話題を出す上では、「知財コンサルティング」とは具体的にいかなるものなのか、という議論を先にしなければならないが、その議論はおいておき、「知財コンサルティング」という名の下でコンサルを行うことによるミスリードについて考えてみたい。
 
 確かに「知財コンサルティング」を行う上では、知財(特許)、技術、法律の知識と経験が求められ、それ以外に通常のコンサルティングのスキルも求められるため、このような案件を受任できるのは限られた専門家だ。但し、受任した「知財コンサルティング」を通じて解を出そうとしたとき、どうしても「知財」の中に答えを出そうとしてしまっていないか。コンサルの答えが、特許出願件数が多すぎるとか少なすぎるというものとか、これだけ多くの特許を取得しても上手く活用できないものばかりだ、とか、結局は次の特許出願に繋げる話に仕向けていないか、ということである。勿論、コンサルにおける答えの本質が、本当にそのの特許出願のところにある場合も少なからずあり、それはそれで問題ないが、殆どは知財戦略階層のみで答えが出せない場合が殆どだ。つまり、特許出願が少ないのは、そもそもその企業内におけるR&D戦略に問題があるかもしれない。かかる場合にはイノベーション戦略階層まで回帰し、コンサルの仮説設定を行う必要が出てくる。また特許収益が少ないのは、知財戦略階層よりも上位にあるビジネス戦略階層に問題があるもかのしれない。「知財コンサルティング」を打ち出し、知財戦略階層内で答えを出すことが、本当の意味でそのクライアントの問題解決にはならず、逆にミスリードにつながってしまう虞があるのである。

 つまり、「知財コンサルティング」の答えを出そうとするときは、知財戦略階層のみから答えを出そうとするのではなく、広い視野を持ってイノベーション戦略階層やビジネス戦略階層まで視野を広げ、経営全体までを包含しつつ、知財戦略とは異なる仮説も打ち出す。これは、今までの自分自身の失敗も含めて、自分自身に対する戒めの言葉として使っている話だ。つまり、知財戦略、イノベーション、ビジネスの専門分野を複眼的に俯瞰する、いわば複眼思考がこれからのコンサルティングには必要だと思う。

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