技術経営ブログ

ビジネスモデル・エコシステムの設計

2019年4月23日

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戦略の本質は、「つながり」、つまり2つ以上の構成要素の間の因果論理である(楠木 建、ストーリーとしての競争戦略、P13)。因果論理とは、「XがYをもたらす」理由を説明するものである。戦略とは、他社との差異を個別に打ち出すものではなく、これらを互いにリンクさせて、相互作用を起こさせ、化学融合させることで戦略的な効果が生まれ、長期的利益を生み出すことが可能となる。

ビジネスモデル・エコシステムは、まさしくビジネス戦略を描くものである。このため、このビジネスモデル・エコシステムを構成する個々の要素は、いわゆるビジネス上の「打ち手」であり、「事象」である。これらの要素が互いに独立しているのであれば、何ら因果関係を作り出すことができず、長期的利益を得ることができない。ビジネスモデル・エコシステムの個々の構成要素を互いにリンクさせることでシナジー効果を生み出すことを念頭に置く必要があるのである。

以下の図に示すように、ビジネスモデル・エコシステムは、最上位のビジネス階層において設計していくが、この個々の構成要素を互いにリンクさせることでシナジー効果を作り出す上では、別階層に位置するイノベーション階層や、知財戦略(IP)階層の個々の構成要素ともリンクさせていくことを念頭に置く必要がある。これと同時に、このシナジー効果を考える上では、戦略の根幹にオープン&クリーズのそれぞれの打ち手を組み合わせていく必要がある。つまり以下に示す、3階層×オープン・クローズ・戦略の合計9つのマトリックス内の個々の打ち手を縦横に組み合わせ、シナジー効果を作っていく。

一方、ビジネスモデル・エコシステムは、一つのストーリーになっていなければならない。当初から、個々の構成要素間でシナジーを出そうとしすぎるとかえって全体のストーリーと整合が取れなくなり、いわば「木を見て森を見ず」の状態に陥ってしまう。小説や漫画の作家も、また特許明細書を作る時も、先ず全体のストーリーのアウトラインを組み立て、その後にアウトラインに沿った各論の創作に取り掛る場合が多い。ビジネスモデル・エコシステムを設計する上でも同様に、先ず全体ストーリーのアウトラインを大まかに組み立ててから個々の要素を詳細に設計していくのがセオリーである。このストーリのアウトラインも、最上位のビジネス階層のみならず別階層に位置するイノベーション階層や、知財戦略(IP)もしっかりと登場させたストーリーにできるか否かがポイントになるであろう。

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